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システム・球の動き

食いつくタップはスピンだけ増す??その2

というわけで、前回の続きです。実は前回の書き込みにはありえない想定があったので、そのあたりを突っ込まれると辛いなーと思ってました。

それは、キュー先が横にズレないとするなら、実際に、インパクトの際にあの回転にはならないだろうというものです。キューの衝突は手球の中心に向かう力にしかならないのではないか?(もしくは、そこでの摩擦で耐えられたものだけが、回転に行くでしょ?、といったところでしょうか) まぁ、前回の記事はいろいろと単純化して、まず衝突とスピンをイメージしてもらう前フリでしたからね。実は今回の記事も前フリですけど!

で、今回の記事は最近スロー撮影をしまくっていたので、実際に回転がかかるとはどういうことかを見てみましょう。これを見れば、およそ回転がかかる仕組みが分かると思います。

まず、あんまり回転かからなかった例。

一応、”見た感じで”インパクトの始まるっぽいところと終わりっぽいところに黄緑で点をつけました。(あとで考えると点の位置が微妙かな、まぁ次なんかあった時に考えよう)あくまで参考ですよ!!頑張ったけど、たぶんちょっとズレてる!

そして、今度はそこそこ回転してる場合。

これ見れば分かると思いますが、要は引きがたくさんかかっている場合は、より、接触してるところから、下方向でキューが離れているというのが分かると思います。まぁ、当たり前といえば当たり前ですよね。ある一定距離前(上写真でいう左)に行く間に下に行く量が手球の逆回転効率とみなせそうです。ちなみに写真にBackspin: 17deg/(1/4R)とありますが、これは手球が半径の1/4だけ進む間に17度逆回転していることを示しています。

ではもっと引けた場合は?これはかなり上級者の引きです。

ここでポイントなのは、キューが前に進んでもあんまり嬉しくないことと、単にタップと手球が設置しているだけではあまり意味がないことです。よりこの離れたポイントが下にある(開始点から終了点の方向が下を向く)ということが大事なのが分かると思います。

先日、書いてた、キュースピードはないけどめっちゃ回転効率がいい女子プレイヤーのポイントはこんな感じ。

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システム・球の動き

食いつくタップはスピンだけ増す??その1

弾力のあるXX理論

弾力のあるXXという時に、弾力があるとうまいこと、スピンだけ増えるというイメージを持っている方がいらっしゃいます。

仮にキューやタップが横にそれないとしたら、手球にかかる力はこうなるでしょう。たぶん!

ちなみにこれ、引き球を完全にキューを水平にして撞くという想定がありえないのですが、話を簡単にするためなので、ご了承ください。

まず、この状況でキューがまっすぐ左にきた場合に、キューの力(赤)は、手球の中心にかかる力(青)と、手球の回転(青)に分かれます。そして、手球の中心にかかる力(青)は上に跳ねる力(緑)と前に進む力(緑)に分かれます。

つまり、キューにかかってた力は、手球が進む力と、手球を回転させる力の2つに分かれる訳です。

この回転させる力と、中心にかかる力のバランス(スピン効率)は、撞点のみに依存します。つまり、キューが手球に弾かれないという想定で考えると、タップやシャフトの弾力はスピン効率に関係ないことが分かるはずです。ここで、タップが手球に食いつこうが食いつくまいが、うまいことスピンだけ増えることはないってことですよね。

ただし、これはあくまでもキューがまったく弾かれないという想定な訳です。では、実際にはどうなっているのか、は次回のネタです。

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雑談

ストロークプレーンの気づかなかった軸

少し前に、自分のストロークがまっすぐじゃないことに気づきました(最初から、とかいう話かもしれませんが!)

これ、直すためには、立ち位置変えて、肘の位置変えて、顔と足の関係を変えて…それに合わせてアドレスを変えて…

とやってたら大手術になってしまいました。辛い…

と思っていたのですが、私の勘違いで、実は肩関節のところで、上腕部をねじる(?図の赤い捻転)ができることを失念していて、この関節が以前と変わっていたようです。実は、ビリヤードのフォームでこの関節(?この軸)をこれまで意識したことが全くなかったので、そもそもそんなとこにパラメータがあったのか!、という感じです。

そして、これを直すことによって、全て解決。といっても、それまでにいろいろなところをいじってしまっていたので、それらを元に戻すのも一苦労です…うがが…

まぁ、大工事しながらも、全然治らないなー、とおもってたところが、意外とワンパラメータで治ってしまったのでハッピーといえばハッピーでしたが。

ただ、それのおかげで、これまで意識していなかったストローク平面になってきつつあるので、このあたりに違和感を感じながら進むってかんじですが。

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システム・球の動き

引きのキレの違い、スーパースロー

というわけで、またfat catさんのご協力の下、8819fpsでスーパースロー撮影したものです。

4人にドローを撞いてもらってます。手球から2,3ポイント離した球を「できるだけ引いてー」と言って平撞きで撞いてもらったものです。頼んだプレイヤーのわたしの主観は

1ショット目 腕はB上くらいだけど、B中くらいのキレのプレイヤー(アダム(キューA)使用)
2ショット目 腕はB上くらいだけど、B中くらいのキレのプレイヤー(A使用)
3ショット目 腕はA上くらいだけど、キレはA中くらいのプレイヤー(Aを借りて使用)
4ショット目 腕はA上くらいだけど、キレはA中くらいのプレイヤー(Aを借りて使用)
5ショット目 腕は全国クラスくらい、キレもA上くらいのプレイヤー(ハオキュー(キューB)使用)
6ショット目 女性。LAくらい。女性にしては切れるプレイヤー(Bを借りて使用)

です。

細かい情報などは動画に載せてます。

なお、Init, RangeA, RangeBというのはインパクト直前までの一定の区間(図の円)を通るのにかかったフレーム数です。数が小さいほどキュースピードが早いことになります。この数字が徐々に小さくなってるなら加速している。一定なら、加速はしていないと考えていいと思います。

図の手球に書かれた白い円は、手球の半径の50%の円となります。いわゆる理論限界撞点となります。赤い線はインパクト時のキューの中心線と、キューの上端の線です。これを見ると、みんなキューの中心が手球の50%の円に向いているか、わずかにその下ってことが分かるでしょう。

この動画を見ると2ショット目は明らかに撞点が高いのですが、1ショット目は、3ショット目以降とそれほど違いがないことが分かるかもしれません。また6ショット目(女性のショット)は、ショットスピードは遅いものの回転効率はかなり高いことも分かります。

実際、この動画を撮るまでは、B中くらいのキレの人はもっと撞点が高いとおもっていたのですが、そこまでの差がありませんでした。キュースピードを別にすれば1ショット目と5ショット目の違いは画像的にはあまり見つからず、また6ショット目はキュースピードが遅いのですが、回転効率は、1よりもだいぶいいんですよね。

要はこの程度のスピード・解像度では、まだまだわからないことが多いということですかねー。ただ、今回はキューも違うので、キューを揃えて実験しないといけないな、というのが分かりました。時間があったらやりますが、なかなか。

(だいたいスーパースローはニーズはあるのかな?めっちゃ時間かかるんだけど…)

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システム・球の動き

手球と的球の衝突(スーパスロー)

というわけで、名古屋のfat cat billiardsさんのご協力の元、的球と手球の衝突を撮影して参りました。

この動画以外にも撮影していていまんとこ、手球と的球の衝突時間は(速度にもよるけど)およそ、1/10000秒程度と推測しています(今後もっと小さくなるかもしれません!もっと良い機材があれば!)

というわけで、スロウを可視化しています。手球の速度はバンキング前後くらいでしょうか。結構遅めです。

なお、手球や的球の衝突位置は画像から目視しているので、精度はそこまで高くありません(なんなら , と .でコマ送りでチェックしてください。白い円が打ってあるからわかりづらいかな?)

なお、この時のデータを表にしてます。推測値は、実測のスロウ量を、

α×sin(厚み) と比例すると想定した場合
α×sin(厚み)/手球の速度 と比例すると想定した場合
α×sin(厚み)/sqrt(手球の速度) と比例すると想定した場合

※sqrtは平方根

にそれぞれ、推定値と実測値の差を出して、その標準偏差をとったものです(と思ったら図には標準偏差入れ忘れた。左から2.47, 2.49, 2.47)。実際には、試行回数が少ないですし、微小なスキッドや、画像から判断していることによる測定誤差なども入っているので、もっとデータを出して分析しないといけないんですが、他にもやりたいことがたくさんある割にかなりの労力がかかるのでここまでです。まぁ、スロウ具合をお楽しみください。

ちなみにこういった検証や議論に興味のある方(実際の分析やデータ集計などを手伝ってくださったりする方)は、以前書いた、サロン的なものにご参加いただけると幸いです。ただ、見るだけの方はしばらくしたらkickさせていただきます_o_

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フォーム・ストローク

押し球3種類のストローク

というわけで、スーパースロー撮影です。いつものように名古屋のいりなかにあるfat catさんで撮影させていただいております。

今回は押し球の撞き方の違いでのキューの軌道などを撮っております。いつものように8800fps(8828とかそのくらい)で撮影しております。暗いのは、明るさがわたしのお小遣いの量に比例しているためです!!

これを見ると分かるように、擦り上げるようなイメージの押し球は結構軌道が上になってるんですね。ブリッジが基準になってるのかな?

ちなみに、力加減や押し加減を同一にするというよりも、単に3種類のイメージで撞いたものを撮影しています。

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システム・球の動き

ミスキューのスロー撮影

先日に続いて、今度はミスキューを撮影しました。といっても、わざとしようとしたのでなく、撞点を攻めすぎたものを撮影したものです。

押し引き両方撮影しています。これ、しっかりとチョークなどをつけているものです。よくみるとわかりますが、本当にタップの端が半径の50%にあたってたらミスキューするってことがよくわかると思います(ちなみにキューを立てている場合はキューを立てた角度から見てくださいよ!) 半径の50%が限界撞点とはいえ、タップの端では駄目ってことですよね!

今回も名古屋のfat catさんにご協力いただきました!!いつもありがとうございます!

なお、画質が暗いのは照明のためです。照明を寄付いただけるかたよろしくおねがいします^^;;たぶん、いらっしゃらないと思うので、お小遣いの範囲でアップグレードしていく予定です。また、もっと寄って撮影して欲しい等のご要望もあると思いますが、いろいろと実験をしている中の副産物なので、ご容赦ください。

 

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システム・球の動き

ショートジャンプのスロー動画

ふと機会があって、名古屋のfat cat billiardsさんで、スロー撮影をさせてもらっています。しばらくこのシリーズ続く予定ですが、今回はジャンプショットの撮影をしました。そのうち、ショートジャンプです。

これはDrill InstructorのG-5 Launcherを使ったジャンプです。ちなみにマーティー・キャリーやDr.Popperと同じで、このG-5は超ショートジャンプ向きです。(ちなみにバットは二分割できますが、実際には常に短い状態で使う感じだと思います!使い勝手はほとんどマーティーキャリーと同じ!)超ショートジャンプってのは、邪魔球まで球1つなら超楽勝で飛ばせて、チョーク一個でも結構飛ばせるって感じです。

なんで、この動画を載せるかというと、まずは動画を。コマ送りしたい人はPCでYoutube見るとカンマとピリオドでコマ送りできます。

さて、この動画を見ると分かると思いますが、このジャンプ、キューがどこかに逃げているのでなくてキューが弾かれている感じです。

わたしは、ずーっとジャンプというのは、キュー先が逃げる(手球の中心からキュー先が逸れる)ということで撞いていると思ってました。

実際にほとんどのジャンプショットは手球のちょっと下をついて、キュー先が下に逃げるように撞いていると思います。でも、このショートジャンプは違うんですね!

ちなみに下にインパクト前後の画像を載せておきます。8800fpsで、目視するとおよそインパクトが7フレームなので、よく言われる1/1000秒ってのとほぼ同じですね。ボールが上から叩かれてラシャに沈む様子と、タップ(キュー)が弾かれている感じが分かると思います。

 

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雑談

トビの多いキュー理論

最近、ふと思ったけど、わからないことにトビ(ズレ)の多いキューはブレイクキューに向いてるのではないか?というものがあります。

ここでは撞点が横にずれたときの話ではなくて(いわゆるピボットポイントがレストの距離に近い方がいいという話ではなく)、トビの多いキューの方が手球が跳ねにくいのでは?という疑いについてです。

ちなみにわたしの体感としてはトビ(ズレ)の少ないキューの方がブレイクでも跳ねにくいと思っていますし、感じています。

一方で、わたしの机上の理論では、トビの多いキューの方がより下を撞いたとするならば(←ここ重要なポイント。ちなみにわたしは9ボールでは絶対に下をつきます)、よりズレの多いキューの方が、キューが下方向に向かっているのを相殺するので、より飛ばない(跳ねない)のではないか?、と疑っているのです。

こういうのは、そのうち検証しないといけないんですがわたしの頭と感覚はズレてるのです。こういう場合は理論を捨てるべき、とはおもうものの、わたしだけの感覚である可能性もある(人の感覚は信じていない)ので、どうなんだろうなー、と思うのです。

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雑談

湿気のあるクッションと乾いたクッションは、どのくらいの反射係数か?

検証したのは漫画喫茶室内はエアコンが入っており27度程度、外は晴れ(たぶん最高気温33度くらい)、時間は昼の12時頃でした。
(Tシャツ+短パンで少し肌寒い感じ)テーブルはややへたってる感じのブランズウィック3、クッションなどは普通。

計測はクッションから約、球1つ離れたところから球2つ分の距離を走るのにかかった時間を計測してその時間の比を計測しました。クッションに入る前と、クッションから出る時の速度比を出しています。(0.55とあれば、入る前にかかった時間÷出る時にかかった時間=0.55)なお、計測は全て400fpsのカメラで撮影して、ある程度一定の速度にするために、滑り台的なものを作成しています。

なお、行きにかかった平均フレーム数は73フレームなので、11.42cmを平均73フレーム=(73/400秒)かかっているので、秒速62.6cm=時速2.3km/hくらいでの計測です。

何もない数字は、施行ごとの反射係数です。

1.ノーマルコンディション
0.54
0.55
平均反射係数0.55

2.ノーマルコンディション(上記とは別のクッション)
0.51
0.53
0.54
0.52
0.53
平均反射係数0.53

3.ドライコンディション(2のクッションに、レールにドライヤーで、5秒程度強い温風5秒程度冷風を3回繰り返した)
0.50
0.51
0.53
0.51
0.50
0.51
平均反射係数0.51

4.ウェットコンディション(3のクッションをしばらく放置してから、霧吹きを何度かかけた。ただ、傍目にも濡れてる感じにして、5分程度経ってからまた少し霧吹きをした)
0.49
0.49
0.50
0.47
0.49
平均反射係数0.49 (あれれ?な、わけないはず…)

なお、3と4の時もラシャには影響がでないように、ラシャには分厚いカバーをしており、クッションにのみ影響があるようにしてます。

結論としては、ウェットコンディションの人工的な作り方がわからないといったところです^^;;;、ドライコンディションは予想通りの感じでしたが、濡らしすぎてしまったので挙動が普通の湿気たラシャと違うようです。