(2016.2.01内容はそのままですが、言葉がわかりづらいところがあったので、全体に微修正してます)
手球のジャンプの件を少しだけ考えてみました。ちなみにスロウと、的球がラシャ面に押し付けられるという件は無視しています。
まず、手球がジャンプすると、みかけのボールの大きさが変わりますよね。つまり、的球がラシャに乗っていて、手球が空中にあると、それぞれの半径が少し小さくなっているような衝突になります。
それでは、どう変わるかを考えてみましょう。
手球のジャンプについては1,2,4,8mmの4通りを考えてみます。ちなみに8mmってのは、手球がレールに近い時にしか発生しないような特殊なパターンだと思います。通常、弾けた球でもジャンプは2mm程度じゃないかと思っていますが、これは別の記事で書く予定です。
まず、みかけのボールの大きさは、こういう感じですよね。
つまり、ジャンプの高さがx mmの見かけのボールの半径は(ちなみにボールの直径は57.15mm、つまり半径28.575mmとして計算してます)
cos(asin(x/28.575) * 28.575)
で計算できますよね。
※asinというのはアークサインで、sinの逆関数
これを計算すると、1mm,2mm,4mm,8mmのそれぞれの時のボールのみかけの大きさ(ジャンプした高さでのボールの大きさ)の半径は以下となります。括弧内は、地面で当たった時と比べた大きさです。
1mmジャンプ 28.5575mm(99.9%)
2mmジャンプ 28.50492mm(99.8%)
4mmジャンプ 28.29365mm(99.0%)
8mmジャンプ 27.43229mm(96.0%)
1mm程度のジャンプならば、ボールの大きさの変化はおそらく誤差と考えられそうですが、8mmジャンプするとさすがに大きく違いますね。もっとも8mmも飛ぶことは普通にはないと思います。
次に、20度、40度、60度、80度のそれぞれの厚みの際に、ジャンプの高さが厚みにどう影響与えるかを計算してみます。
図では、「正しいサイズ」とありますが、これは手球と的球が両方共ラシャに設置している場合です。
小さいサイズの球の分離角というのは、少しジャンプした場合の分離角です。図ではわざとボールをかなり小さくしてありますが、このように同じ厚みに当てた場合に、的球は薄めに当たるということですね。
この計算式は、
asin(28.575*sin(角度*pi/180)/(見かけのボールの大きさ))*180/pi
※角度をpi(円周率)や180でかけたり、割ったりしているのは、ラジアンと度の変換です。
これを計算すると20度、40度、60度、80度のそれぞれで、手球がジャンプして当たった時に的球が分離する角度は
1mmジャンプ 20.01278度、40.02947度、60.06087度、80.20113度
2mmジャンプ 20.05128度、40.1183度、60.24489度、80.83327度
4mmジャンプ 20.20751度、40.47976度、61.00206度、84.0433度
8mmジャンプ 20.87113度、42.03337度、64.43553度、(当たらない!)
となります。
ちなみに、0.2度のズレ、0.5度のズレ、1度のズレ、2度のズレ、4度のズレで4ポイント分、進んだ時にどれだけ横にズレるかを計算してみます。テーブルの1ポイント分はボール6個分ですが、むしろ4Pはテーブルの短辺の長さと同じなので、通常の9フィートテーブルでは、4P= 4.5フィート= 1371.6mmですね。
ここから、角度がずれた場合に4P進んだ時の的球が横にズレた距離は、
cos( (90-ズレた角度)*pi/180)*1371.6/sin((90-ズレた角度)*pi/180)
でしょうか。
すると、ズレは
0.2度 4.787807mm
0.5度 11.96939mm
1度 23.94137mm
2度 47.89733mm
4度 95.91162mm
となります。こう見ると、的球とポケットの距離が4ポイントの時に1度くらいのズレで、ボール1/3よりも少しずれるくらい。芯から入るはずの厚みなら入るかもしれませんが、狙ってた厚みより少しでも薄めにいってたら抜きそうです。
2度のズレだと、本来狙っていた厚みでは入らないでしょう。もっとも、2度以上ずれるというのは4mmジャンプの80度や8mmジャンプの40度、60度といった球ですね。
逆にいえば、通常のジャンプが2mm程度ならば、ほぼ誤差の範囲で収まりそうといった感じでしょうか。
また、的球とポケットの距離が2ポイント程度と近い球ならば、上のズレも半分になりますので、1度のズレでも1cm程度のズレとなりあまり気にしないでいいかもしれませんし、2度のズレでも入ることが多そうですね。