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フォーム・ストローク

グリップの硬さはどのような意味があるのか?

先日、手に力が入りませんでした。握力が全然ない感じ。そんな時に球を撞くときにはグリップがゆるゆるです。スライドストロークとかではないのですが、キューを手に載せてるだけな感じ。

しっかりグリップをしないとパワーがなくなるという考えがあります。しっかりとキューをグリップして、その反動を抑え込まないと手球に力が伝わらないという考え方。

果たしてそうでしょうか?そうかもしれませんし、そうでないかもしれませんよね。

わたしは、どちらかといえばキューをしっかり握らないと若干パワーが落ちると思ってました。

 

でも、握力がなくて、ゆるゆるグリップをしてもブレイクのパワーとかほとんど変わらないんですよねー、なんでだろ?

 

この件、以前から気になっていたので少しだけ調べてみました。

まず、ボールをこんな感じで並べて、ゆるいグリップと硬いグリップでそれぞれ4回中心撞きをして、それを横から480fps(秒480コマ)で撮影しました。

ちなみにゆるいグリップは、右手(利き手)を輪にしてその上にキューを乗せるだけです。硬いグリップはわたしが普段しているような、親指と人差し指とキューの間にほとんど隙間がない感じにして、さらに手のひらもキューにふれており、中指や薬指も接しているようなグリップです。

これで、インパクト前後のボール1個分の移動に、キューと手球が何フレームかかったかを時間を計測して、速度を測っています。実際の瞬間の速度ではないので、多少の誤差はあるでしょう。

 

ちなみにボールの速度はインパクト前のキューの速度から計算できます。これはタップやシャフトなどの硬さと、手球とキューの重さから計算できますが、実際にはタップの硬さなどのパラメータが分からないので、手球の速度が、キューの速度の1.5倍と比べてどう違うかを見てみました。

 

まず、キューの速度と手球の速度はこの図。縦軸はkm/hです。これを見ると硬いグリップの方がキュー速とボールの速度の比率がキレイになっている印象がありますが、実際には3つめの試行はボールの速度がちょっと遅いです。ただ、これはフレームの間際問題というのがあって、コマ数を1コマずらせば実際にはボールの速度が2割あがって、ほどよくなります。もっと高速なカメラがあれば改善するのですが、今使ってるカシオの安物ではこういった問題が発生します。(試行回数をもっと増やせば問題が消えると思います)

こちらは、キューの速度から予測したボールの速度と、実際のボールの速度の差です。グラフが下に行くほどおもったより遅いということです。

まだ試行回数がそれぞれ4回と少ないですが、これを見る限りではグリップの硬さがボールの速度に与える影響はなさそうだなと思いました。なるほどー。

 

下は実際の検証時の動画。上にデータがあるのであんまり意味ないです^^;

「グリップの硬さはどのような意味があるのか?」への8件の返信

タッチと似てますね。
個人的にはグリップもタッチも違いを感じる方なので、かなり意識しますけど、
単なる勘違いも否定しません(笑)

もし良し悪しというような物があれば知りたいと思っていますが、
イメージ通りに撞けているなら、差し当たり問題無しかな、と。

ゆるグリップの2回目と、硬いグリップの3回目は、ボールの速度が同じぐらいなのに、キュー速度に大きな差がありますね。(という見方で合ってるのかな・・?)
そう考えるとゆるグリップのほうが効率的な気がしますね。

これ撞点にも影響されませんか?
キューの持つ運動エネルギーが手玉の運動エネルギーへと移動するのだと思いますが、手玉の運動エネルギーは直線運動分と回転運動分の両方を足し合わせたものですよね?(もし間違っていたらごめんなさい、ふとした疑問って事でご容赦を)

ラガマタさん:
おはようございます!ぼくはグリップは結構こだわっているつもりで(ただしこだわりの少ない自分のわりには、ですが)、数少ないストロークのバリエーションは全てグリップにからめて変えているのですが、実際のグリップパワーってどうなんだろ?、とは常々思ってました。ちなみに結局思ったとおりにつければいいし、今回の実験結果はあんまり実際のフォームには反映しません(イメージ通りにつけるグリップの方がありがたいし、それが難しいので)

nowheremanさん:
実験の誤差があると思います。1/480秒単位で計測しているので、動きはじめをそのフレームと見なすか次と見なすかで硬いグリップの3つめみたいなショットスピードの早いものはかなり違うのです ><) その誤差を消すには、ともかくたくさん計測を行うってのが一番なんですが(実際には他のプレイヤーにもやってもらうとさらに倍)、思ってたような差はないなー、と自分の中で納得してしまいました^^;;
ちなみにグリップがゆるい方がショットの瞬間にキュー速を遅くしてしまったりということはないので、安定するかもしれないとか、どちらが思ってたとおりのスピードでつけるか、とかは実験できるのですが(←一人でなくて、たくさんの人のデータが必要)それは別の人に任せます^^;;;

myさん:
おはようございます!おっしゃる通りで、これ、キュースピード×1.5×X=手球の速度 という式でXがグリップによって有意な差があるかを考えるというものですが(ちなみに有意というと通常は有意水準.05とか持ってきますが、そこまででなく例えば.30とか違うんじゃないかとか思ってました)、実際には撞点の差とキューの角度の差があります。端を撞いたり、キューが立ってると、手球のスピードが落ちるってことですよね。

これ、わたしの推定ですが、ざっくり言えばわたしの撞点のブレの範囲では、+-3%程度のショットスピードの差があり、キューの立ち具合の差では+-1%程度の差があると想定しています。合わせるなら+-4%程度でしょうか?実際にはこの2つはそこそこ独立な気もしますが。

そんなわけですが、それだけだと0.08-1.05くらいの範囲のズレを説明しきれませんが、実際には先程も書いたちょうどそのフレームの瞬間に動き始めたというのと、前のフレームの直後に動き始めたというのの差も合わせるとグラフの下のバラツキくらいはでるなー、と思ってます。

そんなわけで、こういった誤差がありますが、
1.たくさん試行すれば消せる。
2.とは言え、思ってほどの差がないという結果で自分は満足してる。
3.たくさんの試行は面倒なので、気になる人に任せよう。

といった感じで次に進んでいく予定です^^;; いつかストロークロボを作ろうと思っているのですが、早くとも来年だろうなー、と。ロボを作って仕事が落ち着いてたら、再検証予定です:->

丁寧なお返事ありがとうございました!(丁寧すぎです^^;)
なすみそさんの言われる1~3につきましては全くその通りでして、私的には「撞点の違いって影響します?」→「しますね」で全然OKだったのです。こういう検証はざっくりやるくらいがちょうど良いと思っている派なので。
何だかお騒がせしてしまい本当に申し訳なかったです^^;

myさん:
こんばんは!いえいえ、こういったツッコミがあった方が思考が進みますし、あとから続く人の参考になるんじゃないかと思ってます(いるのかな?)
わたしの大好きな言葉に「巨人の肩に乗る小人」という言葉があります。少しづつでも、巨人の肩に乗って、続く人がより遠くを見えるようにすることができると嬉しいです!

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